エクストリーム尾瀬檜枝岐大会


6月23日(土)国内のアドベンチャーレースでも人気の高いエクストリームシリーズ尾瀬檜枝岐大会が開催され、出場した。今回のメンバーはケン、ヨーキ、ヤマキーの3人だ。実際にトレ生だけでチームを組んで出場するのはこれが初めてとなる。目指すは当然『優勝』だが、隊長の指示は「2位と1時間以上の差を出すこと」。
参加チーム数は57チーム(3人1組)。晴天に恵まれ、レース日和となった。


スタート直前に地図が配布され競技の全貌が明かされる。種目はマウンテンバイクとトレッキング。これをオリエンテーリングで進む。今回のコースは大まかに七入駐車場をスタートし、檜枝岐川に沿って右岸を南下し、Uターンして左岸を北上して七入駐車場でゴールとなる。途中にチェックポイント(CP)以外に数独やヤマメのつかみ取りなどのタスクが入る。





いよいよトレ生だけのレースの幕開けである。
まずまずのスタートだったが、ケンが序盤にCPポスト投函用のカードをどこかに落としてしまう。しばしチームはボー然としながらカードを探す。しかし前回の奥多摩大会で他チームにいたヤマキーが同様なミスをし、持っていた紙切れを代用し難を逃れた経験があり、今回もそのように処理をした。その後、スタッフに新たなカードをもらい、レースを継続することができた。だが、これが海外のレースであればペナルティもしくは失格をももたらす致命的なミスとなる。
カードを探していたため、ここでトップ集団より大きく遅れを取る。





またヤマメのつかみ取りの最中、ヨーキが地図をどこかに置き忘れてしまう。この大会は各選手に1枚ずつ地図を渡されるので、他メンバーの地図で間に合うが、このミスも海外レースであればカードと同様、ペナルティもしくは失格の場合もある。このチームは紛失にはかなり気を使う必要がありそうだ。

ここから追い上げが始まる。しかしCP6(マウンテンバイク)の後、ヨーキがルートミスをし10分のロス。せっかく追い上げたがまた順位を落としてしまう。

ミスの連発でチームの雰囲気が悪化し始める。が、元々体力はあるメンバーだ。ここからジリジリと追い上げる。と、そこでトップがロスト(道迷い)し、遅れ始めた。ここが挽回のチャンスだ!





そしてマウンテンバイクのダウンヒル。マウンテンバイクの王道とれとれオブシディアンに出場したヨーキとヤマキーが乗車して下るダウンヒルを、ケガで欠場してしまったケンは担いで下る。とれとれマウンテンバイク三昧の4日間でMTBスキルに差が出たのかもしれない。ケンにとってマウンテンバイクの下りのテクニックが今後の課題となるだろう。

CP9〜12はどこからポイントを回っても良いセクション。ここでCP位置が分からず、チームで手分けをして探す事とにした。発見したのはカードを持ったヨーキ。よってヨーキはそのままチェックを入れる。しかしこれはルール的にはNGである。チームは常に一緒に行動しなければならないのだ。



最終段階で、トップにいたチームが20分のロストをし、追い上げたイーストウインドを含めた3チームが団子状態の大接戦となる。そこでまたもや体力のあるヤマキー一人がCPを取りにいくという行動に出てしまった。「あの時、すごく焦ってしまった。余裕がなかった」と振り返るヨーキ。


そして大接戦をそのまま繰り返し、僅差でゴール。チームイーストウインド優勝!2位とはわずか11秒差だった。
今回は優勝したものの、それぞれが今後の課題が明確になる大会となった。



ヤマキーは「今回、ルートが違うのでは?と思っても自分の意見を主張しなかったが、それはよくなかった。ナビ担当など、役割を決めておけば焦りも少ないのではないか」と自己反省をする。















ケンは「地図を受け取った時点で作戦を立てられれば良かった。そうすれば精神的な焦りが減るのかもしれない」と改善点を提案。

















ヨーキは「今後はチームの団結力や信頼関係の向上を図りたい」とチームワークを痛感したようだ。




















今回、レースを追いかけていた隊長・田中正人は「今回はまったくレースになっていなかった。チームワークは難しい。トラブルも多く、それにどう対処していくかが大切で、そういった意味では今回勉強になったのではないか。大接戦の末、最終的に勝ったというのは評価したい」とコメントした。

次は同シリーズの奥大井大会でリベンジを果たしたい。


テキスト:竹内靖恵(チームマネージメント)
写真:田中正人、竹内靖恵